




束草観光水産市場から細い水路を渡し舟で越える。その短い移動自体が旅の思い出になるのが、アバイ村です。乗客も綱を引けるケッペ、朝鮮戦争後に形成された集落の歴史、アバイスンデ、そして海辺の散歩まで、束草らしい体験をひと続きで楽しめます。昔の家並みを保存したテーマ村というより、今も人が暮らす町の記憶をたどる場所として訪れるのが似合います。
旅の入口は、手で綱を引くケッペ
アバイ村を象徴するケッペは、束草市街と青湖洞の間にある約60mの水路を渡る無動力船です。エンジンやオールではなく、水路に張られた鉄線へ鉤を掛け、乗っている人が手で引きながら進みます。スタッフに任せて乗るだけでも構いませんが、自分で船を動かす感覚を味わえるのが、この移動手段の面白さです。
航路は短く、長時間景色を眺める遊覧船ではありません。それでも、ゆっくり動く小さな船から水面や二つの大橋を眺め、対岸へ着くまでの時間には独特の旅情があります。子どもが綱引きに参加して楽しんだという体験も多く、家族旅行では単なる移動より印象に残りやすいポイントです。

ケッペは片道で大人₩500、小学生₩300、自転車・手押し車は₩500です。運航時間は5〜10月が05:00〜23:00、11〜4月が05:30〜22:30。天候によって変更される場合があるため、風が強い日は運航状況を確認してから向かうと安心です。
壁画の路地に残る、故郷へ帰れなかった人々の記憶
アバイ村は1951年ごろ、朝鮮戦争で咸鏡道から南へ避難した人々が青湖洞の砂地に住み始めたことで形成されました。当初は故郷へ戻る日を待つための仮の住まいでしたが、分断が長引き、そのまま生活の拠点になりました。アバイとは咸鏡道の方言で、親しみを込めて年配の男性を呼ぶ言葉です。
村内では、避難民の暮らしや故郷への思いを描いた壁画、歴史を伝える案内板、細い路地をたどれます。路地の向こうに現在の高層建築が見え、反対側には海が広がる景色も、この場所が過去だけに閉じた観光地ではないことを感じさせます。住民の生活空間でもあるため、大声で騒いだり家の中をのぞいたりせず、町を歩かせてもらう気持ちで巡りたいところです。

2000年に放送されたKBSドラマ『秋の童話』で、ウンソとジュンソがケッペに乗る場面が登場したことも、アバイ村が広く知られるきっかけになりました。船着場周辺にはドラマを思わせるスポットがあり、作品を知っている人なら、物語の舞台と実際の水路を重ねながら歩けます。
ただし、昔の板張りの家や避難民集落らしい景観は、以前よりかなり少なくなっています。現在は飲食店や商店が目立ち、保存された古い村並みを期待すると物足りなく感じるかもしれません。壁画や案内板を読みながら、残された痕跡から歴史を想像する場所だと考えると、見え方が変わります。
スンデ通りでは、咸鏡道ゆかりの味を選ぶ
観光客が集まる通りには、アバイスンデやオジンオスンデを扱う店が並びます。アバイスンデは豚の大腸にもち米、野菜、血などを詰めて蒸す料理。一般的な韓国のスンデとは皮や中身の印象が異なり、避難民が故郷の味を伝えてきたアバイ村らしい一皿です。
オジンオスンデは、内臓を取り除いたイカへひき肉や野菜、もち米などの具を詰めて蒸した料理です。アバイスンデとの盛り合わせを選び、食感や具の違いを比べる人も多く見られます。村歩きだけでは短く感じる場合でも、食事を組み合わせることで、土地の背景を味覚からもたどれます。

店によっては咸興式冷麺やスンデクッもあり、食事を目的に再訪する人もいます。一方、スンデ通りでは積極的な呼び込みを負担に感じる人が少なくありません。落ち着いて選びたいなら、入りたい店を先に決めておき、呼び込みには曖昧に応じず通り過ぎるほうが歩きやすいでしょう。
路地だけで帰らず、青湖海辺と二つの大橋へ
飲食店街と壁画路地を見たら、村の海側まで歩いてみてください。青湖海辺には小さな砂浜と防波堤があり、水路沿いとは違う開放的な風景に変わります。にぎやかな通りから少し離れるだけで、波音を聞きながら休める場所が見つかります。

雪岳大橋と金剛大橋、その下を通る船、水面越しの市街地は、アバイ村ならではの撮影ポイントです。壁画の色彩、昔ながらの低い家々、現代的な橋と高層建築が同じ景色に収まり、村がたどった時間の重なりを一枚に残せます。村内は24時間通行できますが、店舗やケッペにはそれぞれ利用時間があるため、深夜や早朝に食事や乗船までできるわけではありません。
中央市場から入り、海辺まで歩くと全体像が見える
初めてなら、束草観光水産市場側の船着場からケッペで渡り、飲食店街、歴史案内や壁画のある路地、青湖海辺の順に歩くと流れをつかみやすくなります。ケッペだけ乗って市場へ戻るより、村が水路と海の間に築かれた理由や、生活圏としての広がりが見えてきます。

車で訪れる場合はアバイ村の駐車場を利用でき、身障者用区画もあります。村内には観光案内所、一般トイレ、バリアフリートイレがあり、主要な見学動線は車いすでも移動しやすいよう整備されています。ただし、昔からの細い路地では幅や足元に注意が必要です。
アバイ村は、大規模な展示や保存建築を次々に見る場所ではありません。ケッペに乗り、壁画と案内を読み、咸鏡道ゆかりの料理を味わい、最後に海まで歩く。この一連の体験に惹かれるなら、束草観光水産市場と合わせて立ち寄る意味のある場所です。
知っておくと得するコツ
- 中央市場側からケッペで渡ると回りやすい
- ケッペだけでなく海辺と路地も歩く
よくある質問
Q. アバイ村は何時まで見学できますか?
A. 村内は24時間通行できます。ただし、飲食店や観光案内所などの利用時間は施設ごとに異なり、ケッペも季節別の運航時間があります。
Q. ケッペの運航時間と料金は?
A. 5〜10月は05:00〜23:00、11〜4月は05:30〜22:30です。片道料金は大人₩500、小学生₩300、自転車・手押し車₩500。天候により変更される場合があります。
Q. 束草観光水産市場と一緒に回れますか?
A. 市場側の船着場からケッペで約60mの水路を渡るとアバイ村へ着きます。市場、ケッペ、村の路地、青湖海辺を続けて歩くルートに組み込みやすい立地です。
Q. 昔ながらの避難民村の風景は残っていますか?
A. 壁画、歴史案内、細い路地や一部の古い家屋から面影をたどれます。ただし昔の景観はかなり少なくなり、現在は飲食店や商店が目立ちます。
Q. 駐車場やバリアフリー設備はありますか?
A. アバイ村の駐車場と身障者用区画があります。観光案内所、一般トイレ、バリアフリートイレもあり、主要な見学動線は車いすで移動しやすく整備されています。細い路地では幅と足元に注意してください。
利用案内
- 見どころ・撮影スポット
- 避難民の暮らしを描いた壁画路地、青湖海辺、雪岳・金剛大橋の眺望
- 見学ルート・足元
- 壁画路地、青湖海辺、船着場を徒歩で回れます。路地の一部は幅が狭いため足元に注意してください。
- 天候による利用条件
- ケッペは天候により運航時間が変わる場合があります。
- 設備・バリアフリー
- 観光案内所、一般・バリアフリートイレあり。主要な見学動線は車いすで移動しやすく整備されています。
- 駐車場
- アバイ村駐車場あり(身障者用区画あり)
- アクセス
- 束草観光水産市場側の船着場から、ケッペで約60mの水路を渡ります。
- 公式サイト
- 公式サイト ↗
クチコミ
口コミでは、手で綱を引くケッペ体験、アバイスンデやイカスンデの食べ歩き、海辺と二つの大橋を望む景色が好評です。一方、昔の避難民集落らしい景観は少なく、飲食店中心で見どころが限られるとの声や、スンデ通りの積極的な客引きを負担に感じる声も繰り返し見られます。
良い点
- 手で綱を引くケッペ体験が珍しい
- アバイスンデやイカスンデの店が多い
- 海辺と二つの大橋の眺めを楽しめる
- 中央市場と組み合わせて回りやすい
気になる点
- 昔の面影が薄く、見どころは少なめ
- スンデ通りの積極的な客引きが負担
こんな人におすすめ
- ケッペ体験と郷土料理を楽しみたい人
- 海辺の散歩を家族で楽しみたい人
- 朝鮮戦争後の暮らしの歴史に触れたい人
こんな人には不向き
- 昔ながらの集落景観を期待する人
- 客引きのある通りが苦手な人
※ NAVERの訪問者レビューをもとに編集部がまとめた内容です。
韓国での口コミ傾向
すべて見る(22件)
※ NAVERの訪問者レビューで多く選ばれたキーワードです。
記事更新 2026.09.26
営業時間・価格の確認 2026年9月
情報は変更される場合があります。訪問前に公式情報もご確認ください。
韓国で、行きたい場所が見つかる。